銀河中心領域

私たちの銀河系の中心は、私たちから約3万光年(≒8.5kpc)の距離にあると言われていますが、 現在も多くの謎を持った魅力的な領域です。 また、私たちの銀河は(棒)渦巻き銀河と呼ばれる銀河で、 ほとんどのガスや若い星は銀河面と呼ばれる一つの面の上に乗っていて、 その面の上で(棒や)渦巻きの構造を形作っています。 私たちの太陽系もやはりこの銀河面上にあります。 したがって、私たちが銀河中心の方向を見たとき、 大量のガスや星が私たちと銀河中心の間に存在することになります。 ガスの一部は分子雲を形成し、分子雲はダストを含んでいるので、 銀河中心方向を可視光で見ると、星からの光はダストによって散乱された結果、 銀河中心は真っ暗に見えます。 しかし、近赤外線はダストによる影響を受けにくいので、 銀河中心方向にある星を見ることができます。

私たちは銀河中心方向の近赤外サーベイ観測をおこない、 銀河中心の構造や星団探しなどをおこなっています。 また、ダストによる吸収の波長依存性を調べることによって、 ダストの性質を明らかにすることも狙っています。


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