望遠鏡制御

 望遠鏡の回転軸を回すのはモータです。 しかし、モータを使用する他の機会、例えば自動車や工作機械などと比べると 以下の2つの点で大きく異なっています。

1. 回転速度がきわめて遅い
2. 必要な精度が極めて高い

 まず1の回転速度ですが、扇風機や自動車などの一般的な装置では、 1秒間に数十回から数千回も回転します。 しかし、望遠鏡が天体を追尾するときの速度はせいぜい1日に1回転程度です。
 また、南ア望遠鏡は「0.5秒角の精度で天体を追尾する」 ことを目標としています。 0.5秒角というのは角度の「°」で表すと「7200分の1°」です。 このような精度を実現ためには、方位・高度両軸をそれぞれ0.2秒角、 つまり18000分の1°の精度で制御しなければいけません。
 これは、直径が約3.5mある南ア望遠鏡の方位ベースを、 約2μm (1000分の2mm)の精度で制御するのに相当します。

 このような、低速かつ高精度な制御を実現するために、 私たちは以下のような工夫をしました。

・高角度分解能モータ・エンコーダを使用
・減速機構にはギアの替わりにガタのないフリクション・ドライブを採用

これらの工夫によって、私たちは上記の追尾精度を達成しました。

 これらの詳細については、開発基本方針望遠鏡資料集をご覧ください。


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